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『飛騨紬』を歩く 8

2012.11.14 Wednesday

この山岳俳句シリーズ、「春編」以来ご無沙汰をしていましたが、久々に「秋編」を。


昭和初期、飛騨をこよなく愛し、飛騨の山村の自然や人を多く詠んだ山岳俳人前田普羅の作品の光景を、下手な写真で紹介しているものです。


句集『飛騨紬』には、飛騨のことを詠んだ216句が収録してあります。


そのなかで隠居が特に好きなのは、乗鞍のかなたに春星かぎりなし 雪つけし飛騨の国見ゆ春の夕 など。

普羅は近代登山草創期に生まれた山岳俳人で、自分が「山恋い」という病気を持っていることを、『ホトトギス』の高浜虚子に告白するほどの山好きでした。

たぶん同じ病をお持ちの諸賢なら、以下の告白に頷けるのでは。

「<前略> 山を降りて停車場や宿屋を求める時ほど人間の自分の汚さを感じる時はありません。山に居ると人が恋しくなり、人里にくると山中が恋しくなります。」

山の方は、森林と渓谷の山旅を好んだ静観派田部重治の影響を受けていたようです。

彼の飛騨への想いは、少年時に読んだ『日本風景論』の表紙にあった奥飛騨の春を描いた小画を見て以来募っていました。

転勤で富山市に移り住んでから初めて飛騨への旅が実現しますが、旅直前の高揚した気持ちを、「哀弦は鳴る、わが少年の夢は現実に結ばれようとしている。<中略> 飛騨の春、奥飛騨の春、わがファンタジー。」(『飛騨紬』の序)などと書いています。

このあと報知新聞富山支局長の職を辞し、俳句結社『辛夷』の経営に専念。

神岡町の三井金属神岡鉱業所へも句作指導に訪れています。

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旅人は休まずありく落葉音 普羅

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 花芒平湯の径にかぶされり 普羅

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「落ち葉のうえを歩く足音ほど、心にひびく音はない」「日当たりのいい晩秋の枯れ草の斜面、空想を拾う場所」と言ったのは大島亮吉ですが、これからの季節は低山歩きもいいようです。


飛騨が雪に覆われてしまって日々陰鬱な天気が続くようになると、隠居は毎年きまって次のような山行をイメージし、そしてあこがれます。


「よく晴れ渡った冬空の下、どこまでも続くカヤトの低山をのんびり歩き、日だまりでコーヒーなどを沸かして飲みながらぼんやりと空想にふける。」

 

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