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乗鞍での不思議な話 その2 中洞権現にあった仏像の怪

2018.09.22 Saturday

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 9月19日の乗鞍

 

乗鞍の剣ヶ峰から大日岳の腹をまいて南西側に下り、皿石原という小さな鞍部を経て少し登ると、千町尾根に出る。

 

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ゆるやかな尾根を少し下り、広い地形になったところが中洞権現。御嶽なども望め、開放的な場所だ。

 

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天明元年に山麓中洞集落の名主中林作右衛門が、頂上へ仏像を上げようと単身登ったものの、力尽きて途中に安置した。

 

後にその場所が麓の人々に崇められ、「中洞権現」の名で呼ばれるようになったという話を前に書いた。

 

実は作右衛門が上げたその仏像はただの仏像でなかったという話を、民俗学者代情(よせ)通蔵が書いているので、以下要約して紹介したい。

 

そもそも作右衛門と仏像の縁は、作右衛門が祖父の遺骨を京都の本願寺へ納めに行った帰り、60歳くらいの修験者に出会ったことから始まる。

 

この修験者は、持っている仏像をなんとか乗鞍へ安置したいと言うので、作右衛門が案内を買って出た。

 

飛騨へむかう2人が美濃関に泊まっていた時その宿が火事になり、仏像をとりに戻った修験者は大やけどを負い、臨終の間際作右衛門に仏像の安置を託して息を引き取った。

 

この仏像は阿弥陀三尊の青銅仏で、後日作右衛門が修験者との約束をはたすべく仏像を背負って頂上へむかったが、疲労と悪天のためやむなく尾根の途中の岩穴に安置して帰ったのである。

 

時代は明治期になり、このあたりでコマクサやバイケイソウなどの薬草採りをしていた野麦集落の男が、この仏像を自宅へ持ち帰り仏壇に安置した。そうしたら別の商売が大繁盛し、たちまち財を成した。

 

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 大日岳の南面や高天ヶ原(正面奥)では、昔コマクサ採りが盛んだった

 

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これを聞いた下流の中洞集落の人々が返還を要求しにきたが、持ち主は3年の猶予を要求し、それが過ぎても返さなかった。

 

ある日突然この男の家が火事になり、全焼してしまった。男は不在だったが、仏像だけは近所の人が持ち出してくれ助かった。

 

火事になった日は、昔作右衛門が仏像を安置した同じ日であったという。

 

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 野麦集落

 

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男は仏像のたたりだと怖れ、さっそく中洞権現の元の場所へ戻しにいった。

 

その後ここを通った神戸の登山者が、雨宿りした岩穴にあった仏像をザックに入れて丸黒尾根から大尾根へ下ったものの、良心の呵責にさいなまれ、大尾根ヒュッテの管理人に元の場所に戻してくれるよう預けて帰った。

 

戦後山岳スキー場も廃って大尾根ヒュッテに泊まる人はまれになり、普段下の集落に住む管理人は、仏像をヒュッテの神棚に置いたまま忘れてしまっていた。

 

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 大尾根ヒュッテ

 

ある日突然ヒュッテは全焼してしまい、焼け跡のどこを探してもこの仏像は見つからなかった。

 

村人は、「仏様は自力で乗鞍へ帰らさったんやな」と、ささやきあったという。

 

なお代情は、野麦の家と大尾根ヒュッテの両方の火事とも「三筋の焔」が舞い上がったと書いている。

 

こうして現在中洞権現には作右衛門が上げた阿弥陀三尊はおられず(見当たらず)、その後青屋から道を拓いた上牧太郎之助の石仏2体のみが鎮座しておられる。

 

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 中洞権現にある上牧太郎之助の石仏

 

隠居はここを通るたび、どこかの岩陰に帰っておられないか探しているが、いまだ見つからない。

 

諸兄もここを通られたらぜひ探してみていただきたい。

 

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 広い中洞権現 こんなところに?

 

なお阿弥陀三尊とは、阿弥如来を真ん中に、左に観音菩薩、右に勢至菩薩がおられる。

 

以下余談です

老生が予定している9月の山行、長雨のため延期、延期を余儀なくされていましたが、このままだと登山寿命が尽きてしまうので、思い切って明日から出かけることにしました。といっても、1週間少々ですが。このためブログ更新できませんのでご容赦、頓首再拝。

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